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【判例解説】保証会社による追い出し行為と不法行為責任(東京地判 平成24年9月7日)

Taro 2025年12月13日

本件は、賃料滞納が続く賃借人に対し、賃料等保証会社が居室の鍵を交換し、室内に立ち入って賃借人の所有物を撤去・処分した行為について、不法行為に当たるかが争われた事案です。裁判所は、保証会社には明渡しを求める権限がなく、実力行使による占有排除は違法であるとして、保証会社およびその代表取締役の責任を認めました。

  • 裁判所・日付:東京地方裁判所 平成24年9月7日判決
  • 事件類型:保証会社の追い出し行為に関する損害賠償請求
  • 結論:保証会社の不法行為責任および代表取締役の任務懈怠責任を肯定

※事件番号は公開情報の範囲では確認困難なため、裁判所名・判決日で特定しています。

事案の概要

賃借人(原告)は、賃貸人との間で居住用賃貸借契約を締結し、同時に賃料等について保証会社(被告)と保証委託契約を締結していました。しかし、賃借人は契約当初から賃料の支払いを怠り、保証会社は賃料を代位弁済する状況が続きました。

保証会社は、賃借人やその親族に対して度重なる督促を行ったものの支払いがなされなかったことから、管理会社と協議の上、居室への立入り、警告書の貼付、鍵の交換、室内物品の搬出・処分を実施しました。その結果、賃借人は居室に立ち入ることができず、長期間にわたり住居を失う状態となりました。

判決の要旨

  1. 保証会社の法的地位:保証会社は賃借人の賃料債務を保証する立場にすぎず、居室の明渡しや退去を求める権限を有しない。
  2. 自力救済の否定:鍵交換や物品撤去といった行為は、保証会社の権利を実現するものではなく、許されない実力行使である。
  3. 不法行為責任:保証会社による居室立入り・物品処分は不法行為に該当し、損害賠償責任を免れない。
  4. 代表取締役の責任:違法行為を防止する社内体制を整備すべき義務があるにもかかわらず、これを怠ったとして、代表取締役個人の責任も肯定された。

位置づけと実務上のポイント

1. 保証会社に「追い出し権限」はない

本判決は、保証会社が賃料債務を保証しているとしても、賃借人の占有を排除する権限は一切ないことを明確にしました。賃料滞納がある場合でも、明渡しは賃貸人が法的手続きを通じて行う必要があります。

2. 自力救済の厳格な否定

鍵交換や私物撤去といった行為は、たとえ長期滞納があったとしても認められません。本判決は、「困っていたから」「やむを得なかった」といった事情では違法性が否定されないことを示しています。

3. 管理会社・保証会社の実務対応

  • 滞納発生時は、賃貸人と連携し法的手続(解除・明渡訴訟)を選択する。
  • 現地対応や鍵管理については、権限の所在を厳密に確認する。
  • 社内規程・研修を通じて、違法な実力行使を防止する体制を整備する。

まとめ

東京地判平成24年9月7日判決は、保証会社による追い出し行為を明確に違法とし、不法行為責任および代表者責任を認めた重要な事例です。賃料滞納があっても、実力による占有排除は許されず、法的手続による解決が原則であることを再確認する内容となっています。

用語紹介

保証会社
賃借人の賃料債務等を賃貸人に対して保証する会社。明渡しを求める権限は有しない。
自力救済
裁判等の法的手続きを経ず、実力行使によって権利を実現しようとする行為。原則として禁止される。
不法行為
故意または過失により他人の権利・利益を侵害する行為。損害賠償責任が生じる。
任務懈怠責任
会社役員が職務上の義務を怠った場合に負う責任。個人責任が認められることもある。

出所

  • 東京地判 平成24年9月7日(保証会社による追い出し行為)

※判決本文は裁判所の裁判例検索や各種判例データベースでの確認を推奨します。


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著者について

Taro

Administrator

首都圏在住。管理会社に勤務し、賃貸管理業に従事しています。 事業主側で不動産売買と収益物件の管理を経験し、その後、現在の管理会社に転身しました。 保有資格: 宅地建物取引士 賃貸不動産経営管理士

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Name:Taro

首都圏在住。管理会社に勤務し、賃貸管理業に従事しています。
事業主側で不動産売買と収益物件の管理を経験し、その後、現在の管理会社に転身しました。

保有資格:
宅地建物取引士
賃貸不動産経営管理士

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