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【2026年4月施行】区分所有法・マンション管理法改正で何が変わる?賃貸オーナーが今すぐ意識すべき実務ポイント

Taro 2026年1月29日
目次

  • はじめに
  • 改正の全体像
  • 意思決定ルールはどう変わるか
  • 所在不明所有者への対応
  • 建替え以外の再生手法と一括売却
  • 賃貸オーナーへの実務影響
  • 管理会社の対応ポイント
  • まとめ
  • 用語紹介

はじめに

老朽化マンションの増加とともに、「決議が成立しない」「話し合いが前に進まない」という問題が、全国の管理組合で深刻化してきました。特に、所在不明の区分所有者や、総会に参加しない所有者の増加が、管理・再生の停滞を招いています。

こうした状況を受け、2026年4月1日から区分所有法およびマンション管理関連法が改正されます。施行まで残りわずかとなった現在、多くの管理組合では管理規約の見直しや、再生方針の検討が始まっています。

本記事では、制度改正の要点を整理したうえで、分譲マンションを賃貸しているオーナーが見落としがちな実務リスクを中心に解説します。

改正の全体像

今回の改正の軸は、「マンションの意思決定を止めない」ことです。従来は、区分所有者全体を母数とする厳格な多数決要件が、結果として何も決められない状態を生んでいました。

改正では、所在不明所有者への対応を制度として整理するとともに、一部の決議については「総会に出席した人」をベースにした多数決へと考え方が転換されます。形式的な全員参加ではなく、実態に即した意思決定へ舵を切った点が最大の特徴です。


意思決定ルールはどう変わるか

今回の改正では、単に「所在不明所有者を除外する」だけでなく、分母(母数)そのものの考え方が変わります。一部の管理・再生に関する事項については、総会に出席した区分所有者の多数決で決められる場面が整理されました。

これは賃貸オーナーにとって非常に重要な変更です。なぜなら、総会を欠席し続け、委任状も出していない場合でも、出席者だけで意思決定が進む可能性が高まるからです。

💡ポイント:欠席=影響がない、ではありません。欠席している間に、建替えや売却の議論が進む可能性があります。

所在不明所有者への対応

これまで、連絡が取れない所有者が一人いるだけで、総会決議が事実上ストップしてしまうケースがありました。改正後は、一定の手続きを経ることで、所在不明所有者を議決権数や人数の算定から除外できる仕組みが導入されます。

同時に、所在不明者を生まないための制度も強化されます。区分所有者は、氏名・住所などの連絡先を管理組合へ届け出る義務がより明確になります。

引っ越しや相続があった場合に管理組合への連絡を怠ると、「所在不明」とみなされ、知らない間に決議が進むリスクに直結します。


建替え以外の再生手法と一括売却

従来、マンション再生の選択肢は「建替え」に偏っていました。しかし、全員合意に近い要件が求められ、実際には進まないケースが多くありました。

改正では、大規模改修や用途変更に加え、マンション敷地売却制度(一括売却)の活用が現実的な選択肢として整理されます。耐震性不足など一定の条件を満たす場合、これまでよりも緩和された多数決要件(4/5から3/4など)で進められる可能性が示されています。

これは、「建てる」だけでなく、「壊して土地として売る」という出口戦略が、制度上も視野に入ってきたことを意味します。

💡ポイント:再生=建替え一択ではなく、資産をどう畳むかという判断も現実的になります。

賃貸オーナーへの実務影響

分譲マンションを賃貸しているオーナーにとって、今回の改正は「管理組合の意思決定のスピードが変わる」点で大きな影響があります。

  • 総会に出ないまま、重要な方針が決まる可能性が高まる
  • 再生・売却の議論が現実的なスケジュールで進みやすくなる
  • 将来の資産価値や賃貸継続可否に直結する判断が増える

住んでいないからこそ、連絡先を常に最新にしておかないと、自分の資産の命運を他人に委ねる状態になりかねません。


管理会社の対応ポイント

管理会社にとっては、制度改正を踏まえた説明と段取りが重要になります。特に、賃貸中の住戸がある場合、再生計画が具体化した段階での対応が問われます。

  • オーナーに対し、総会出席・委任状提出の重要性を説明する
  • 管理規約改正の通知内容をかみ砕いて共有する
  • 将来的な建替え・売却の可能性を、入居者へいつ・どう伝えるかを整理する

再生計画が決まってから慌てて説明するのではなく、更新時や募集時に「将来的な再生の可能性がある」旨を補足することで、退去トラブルを防ぎやすくなります。

必要に応じて、司法書士やマンション管理士などの専門家と連携し、オーナー・管理組合双方が理解しやすい形で情報整理を行うことも有効です。

まとめ

2026年4月施行の区分所有法・マンション管理関連法改正により、マンションの意思決定は「全員がそろわないと進まない」状態から、「出席者をベースに現実的に進める」仕組みへと変わります。

現在、多くの管理組合では、施行に向けて管理規約の改正(最新の標準管理規約への準拠)が検討されています。今すぐすべきことは、管理組合から届いている通知に必ず目を通し、自分の議決権がどのように扱われるようになるのかを確認することです。

受け身のままでいると、知らない間に重要な判断が進みます。制度が動く今こそ、賃貸オーナーも「関わり方」を見直すタイミングです。

用語紹介

区分所有法
分譲マンションなど、区分所有建物の権利関係や管理方法を定めた法律を指します。
所在不明所有者
住所不明や連絡不能などにより、管理組合が連絡を取れない区分所有者を指します。
マンション敷地売却制度
一定の要件のもと、マンションを建替えずに敷地を一括して売却する再生手法を指します。
管理規約
管理組合の運営ルールを定めた規則で、標準管理規約をもとに各マンションで定められます。

著者について

Taro

Administrator

首都圏在住。管理会社に勤務し、賃貸管理業に従事しています。 事業主側で不動産売買と収益物件の管理を経験し、その後、現在の管理会社に転身しました。 保有資格: 宅地建物取引士 賃貸不動産経営管理士

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首都圏在住。管理会社に勤務し、賃貸管理業に従事しています。
事業主側で不動産売買と収益物件の管理を経験し、その後、現在の管理会社に転身しました。

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宅地建物取引士
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